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どんなときに対偶を使うの?対偶を用いた証明問題

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問題

「整数 a , b について、ab3 の倍数ならば a または b3 の倍数である。」

この命題を証明せよ。

 

 

つまずきポイント 

本日の問題は、対偶を用いた証明問題になります。

「どんなときに対偶を使うの?」というところが難しいポイントですね。

 

問題の命題を見た時に、

対偶を使った方がわかりやすくなるかどうかで使用するかどうかが決まります。

 

問題文を見てみる

Point
 対偶に変形した方が考えやすいかどうか見極めよう

 

今回の命題をじっくりみてみる。

 ab3 の倍数 \Rightarrow ab = 3k ( k は整数)

 

ab = 3k は、ab3 の倍数であることはわかりますが、

a, b それぞれの様子がわかりませんね。

 

なので、

このままだと a または b3 の倍数なのかどうかが判断つきません。

これを解決するのが ”対偶” です。

 

対偶への変換の仕方

対偶は、

”裏”にしてから”逆”にする。もしくは、”逆”にしてから”裏”にすれば良い。

 

<元の命題>

「整数 a , b について、積 ab3 の倍数ならば a または b3 の倍数である。」

<逆>

a または b3 の倍数である。ならば、整数 a , b について、積 ab3 の倍数」

<裏>

「整数 a , b について、積 ab3 の倍数ではない。ならば a または b3 の倍数ではない。」

<対偶>

a かつ b3 の倍数ではない。ならば、積 ab3 の倍数ではない。」

となる。

 

解説

対偶「 a かつ b3 の倍数ではない。ならば、積 ab3 の倍数ではない。」が正しいことを示す。

 

a かつ b3 の倍数ではない」について

a3 の倍数ではない \Rightarrow a=3k+1 , 3k+2 ( k は整数)
b3 の倍数ではない \Rightarrow b=3l+1 , 3l+2 ( l は整数)

すべての整数は、3k, 3k+1, 3k+2 と表される。

よって、

3 の倍数:3k

3 の倍数でない:3k+1, 3k+2

 

以上より、

a かつ b3 の倍数ではない。
\Rightarrow ① a=3k+1 , b=3l+1
   ② a=3k+1 , b=3l+2
   ③ a=3k+2 , b=3l+1
   ④ a=3k+2 , b=3l+2

と表される。


実際に確認してみる

a=3k+1 , b=3l+1の時

ab=(3k+1)(3l+1)
      =9kl+3k+3l+1
      =3(3kl+k+l)+1

3kl+k+l は整数より、

ab3 の倍数ではない。


a=3k+1 , b=3l+2 の時

ab=(3k+1)(3l+2)
    = 9kl+6k+3l+2
    = 3(3kl+2k+l)+2

3kl+2k+l は整数より、

ab3 の倍数ではない。


a=3k+2 , b=3l+1 の時

ab=(3k+2)(3l+1)
    =9kl+3k+6l+2
    =3(3kl+k+2l)+2

3kl+k+2l は整数より、

ab3 の倍数ではない。


a=3k+2,b=3l+2の時

ab = (3k+2)(3l+2)
    = 9kl+6k+6l+4
    = 3(3kl+2k+2l+1)+1

3kl+2k+2l+1 は整数より、

ab3 の倍数ではない。

①〜④により題意は示された。

 

おわりに

「どんなときに対偶を使うの?」と迷った場合、

対偶にした方がわかりやすいかどうかで判断しましょう。

判断がつかない場合は、

対偶にしていないパターンと対偶にしたパターン両方で計算しみてみるのも一つの手でしょう。

 

もっと詳しく教えてほしいという方は、

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