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2から5までいくつ増えてる?これが一番わかりやすい微分の定義

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はじめに

今回は、微分の定義についてわかりやすく解説します。

早速ですが、数学の教科書に載っている微分の定義を見てみましょう。

y=f(x) 上の x=a における接線の傾き f'(a) は、

f'(a)=\displaystyle\lim_{b \to a}\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}

となる。

 

これを見て多くの人が、「微分は諦めよう」と思ったのではないでしょうか?

今回は、この公式を紐解いていきたいと思います。

 

早速ですが微分とは、

「変化具合を表したもの」です。

変化具合とは、x1 ずつ増えていく時に y がどのように増えるのか?ということです。

 

例えば、y=2x なら y2 ずつ増えるし、

y=3 なら y は全く増えません。

では、y=x^2 はどうなるでしょうか?というのが、今回の論点になります。

 

ではここから、グラフを見ながら具体的に見ていきましょう。

 

接線の問題はこちら

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グラフにより変化具合を見てみる

グラフによって変化具合が一定だったり一定でなかったりします。

では見ていきましょう。

 

変化具合が一定の場合

y=3 の変化具合

f:id:smohisano:20210804171143p:plain

 y=3 のグラフと表を見てみると、変化は全くしていないことがわかります。

よって、変化具合は、0 です。

 

y=2x の変化具合

f:id:smohisano:20210804171049p:plain

y=2x のグラフと表を見てみると、y2 ずつ増えていることがわかる。

よって、変化具合は、2 です。

 

変化具合が変動する場合

y=x^2 の変化具合

f:id:smohisano:20210804171756p:plain

y=x^2 のグラフと表を見てみると、

x=1 から x=2 のとき、y の変化は 3

x=2 から x=3 のとき、y の変化は 5

x=3 から x=4 のとき、y の変化は 7

 

このように場所によって変化具合が異なることがわかります

そのため、

曲線の場合、別の方法での定義が必要です。

 

ここまでの変化具合を表したグラフの中でも y=2x で表された変化具合が重要です。 

y=2x の変化具合について】

f:id:smohisano:20210804171049p:plain

y2 ずつ増えているので、変化具合は 2 です。

直線の場合の変化具合は、傾きと一致します。

 

つまり直線の場合は、

傾きを見れば変化具合がわかるということです。

 

曲線の変化具合を考える

曲線 f(x) の変化具合を調べるために、

 2 点間の直線の傾きから考えていく。

 

2点間の直線の傾き

f:id:smohisano:20210808164355p:plain

傾き(変化具合)=\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}

ここで、ba に近づけていく。

f:id:smohisano:20210808164418p:plain

f:id:smohisano:20210808164450p:plain



近づけても、2 点間の直線の傾きであることには変わりない。

傾き(変化具合)=\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}

 

さらに、ba に限りなく近づけていく。

 

「ほぼ」1 点に接する直線の傾き

f:id:smohisano:20210808164510p:plain

 

限りなく近づけても、2 点間の直線の傾きであることには変わりがない。

傾き(変化具合)=\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}

 

しかし、これだと「限りなく」という意味合いが反映されていない。

そこで、 ba限りなく近づけたことを表した式が、

 

\displaystyle\lim_{b \to a}\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}

である。

 

この式は、

「赤い点(接点)に接する青い直線(接線)の傾き」を表している。

 

まとめ

微分するとは、

「変化の具合を表すもの」でありグラフ上の変化の具合は、

「グラフ上の接点における接線の傾き」によって表される。

そして、その値は、

y=f(x) 上の x=a における接線の傾き f'(a) は、

f'(a)=\displaystyle\lim_{b \to a}\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}

この公式により求められる。

 

変化具合を計算してみよう

 例題)f(x)=x^2 上の x=2 における変化具合(接線の傾き)を計算せよ。

 

定義より、 

f'(2)=\displaystyle\lim_{b \to 2}\dfrac{f(b)-f(2)}{b-2} \ast a2 を代入する。

f(x)=x^2 より f(b)=b^2, f(2)=4 なので、

 

よって、

=\displaystyle\lim_{b \to 2}\dfrac{b^2-4}{b-2}

=\displaystyle\lim_{b \to 2}\dfrac{(b-2)(b+2)}{b-2}

=\displaystyle\lim_{b \to 2} (b+2)

=4

 

このように計算することは可能だが、計算が面倒なので実際に計算する時は、

以下の式を使いましょう。

 

簡単に微分する方法

 f(x)=x^k 

 f'(x)=kx^{k-1}

 

よって、

(別解)

f(x)=x^2 上の x=2 における接線の傾きは、

f'(x)=2x

f'(2)=4

 

おわりに

今回は、微分の定義についてわかりやすく解説しました。

いろんな単元の内容を習得している必要があります。

 

微分でなかなか理解できない場合は、

どの単元が足りていないのかを確認する機会にもなりますね。

 

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