Math Kit

途中式を飛ばさない数学ブログ

偏差値50以下の人はこれを読んでください

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はじめに

ブログの内容

ブログを見てくださりありがとうございます!

 

このブログでは、

理系大学に進学したい偏差値50以下の方に向けて記事を書いています。

 

偏差値を50に引き上げるための「基本的な問題」を扱っています。

 

学校の教科書や問題集だと途中式が大幅に削られています。

「なんでこの式が出てきた?」

「この式からこの式の計算ってどうやるんだ?」

こういった経験はみなさんしたことがあると思います。

 

本ブログでは、極力途中式を省かずに解説を作成しております。

 

文字数は多くなってしまいますが、上から順番に見ていくとすっきりと理解していけるものとなっています。

 

どんな人が書いてるの?

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【経歴】

2012〜2016 理学部数学科

2016〜2018 大学院進学 統計学を研究

2018〜    高校数学教員として勤務

 

2013〜2018 塾講師 / 家庭教師 / オンライン家庭教師  

 

青森県出身の普通の人です…笑

しかし、「数学を教える」ということは、ずっとやってきました。

 

私自身、元から数学が得意だったわけではないので、

みなさんと同じように数学をつまずいてきました。

 

大学受験のための数学はこういう風に勉強すれば良い。と、今だからわかることが多くあるのでそういった観点からブログを書いていこうと思います!

 

ブログの特徴

本ブログで紹介している問題は、

偏差値50未満に向けた、定期テストで頻出されるレベルの問題です。

 

難関大学を目指している方は、物足りないと思います。

しかし、大学受験の数学はとにかく基礎・基本が重要です。

そういう意味では、難関大学を目指している人にとっても重要なトピックがまとめられているはずです。

 

基本的には数学があまり得意ではない方に向けているので、

紹介している問題は、極力途中計算を飛ばさずに解説をしています。

 

Math Kitとは?

「Math」とは、数学

「Kit」とは、道具一式

という意味があります。

 

つまり、Math Kit には数学を学習するためのツールが集まっているということです。

Math Kitは、ブログとサイトにより構成されています。

 

ブログ 

ブログでは、単元ごとでカテゴライズはされていますが、

ブログの構造上単元ごとに順番に並んでいません。

 

そこで、ぜひみなさんに見て欲しいのが、サイトです。

 

サイト

まとまっている記事や各記事の内容は変わりませんが、

単元ごとに順番に並んでいます。

 

頭から順番に解いて行っても良いですし、

自分に必要だなと思う記事だけ読むのも良いでしょう。

 

↓サイト

sites.google.com

 

おわりに

ブログの問題を解いていてもっと解説してほしいところが出た方や、

数学の学習について聞きたいことがある方は下記の問い合わせフォームからご連絡ください。

 

進学先の相談や勉強の仕方の相談を受けています。

さらに、オンライン家庭教師もしています。気になる方はご連絡ください。

 

お問い合わせフォーム

https://forms.gle/2RVgwcMPcL5YxWbV7

みんなは並べられる?アルファベットを辞書式に配列させる場合の数

はじめに

今回は、辞書式に配列させる場合の数です。

 

みなさん辞書は引いたことがありますか?

例えば、

① あんこ

② カステラ

③ あんぱん

これを辞書式に並べるとどうなりますか?

 

答えは、① → ③ → ② ですね!

 

これと同じように数字もアルファベットも並べることができます。

今回はこの法則を用いた問題になっています。

 

↓他の順列の問題はこちら

「固定」と「ひとかたまり」を覚えるだけ!男女の並び方を題材にした順列の場合の数 - Math Kit

 

順列の公式

n 個を並べる並べ方は、

 n!=n\times (n-1)\times (n-2) \dots 3\cdot 2\cdot 1

 

↓順列を用いた問題を確認したい方はこちら

「固定」と「ひとかたまり」を覚えるだけ!男女の並び方を題材にした順列の場合の数 - Math Kit

 

辞書式に並べるコツ

POINT

最初の 5 つを並べてみる。

 

実際に 5 つほど並べてみると規則性が見つかります。

どのように並べればいいのかわからない時は、やってみましょう。

 

問題

a, b, c, d, e5 文字を並べたものを、アルファベット順に、1 番目 abcde, 2 番目 abded, \cdots, 120 番目 edcba と番号を付ける。

(1) cbeda は何番目か。

(2) 40 番目は何か。

 

答案の例

(1) cbeda は何番目か。

a □□□□ となる場合の数は、a 以外の文字 4 つの並び方なので、

 4!=4\times 3\times 2\times 1=24

b □□□□ となる場合の数は、b 以外の文字 4 つの並び方なので、

 4!=4\times 3\times 2\times 1=24

ca □□□ となる場合の数は、ca 以外の文字 3 つの並び方なので、

 3!=3\times 2\times 1=6

cba □□ となる場合の数は、[texcba] 以外の文字 2 つの並び方なので、

 2!=2\times 1=2

cbd □□ となる場合の数は、cbd 以外の文字 2 つの並び方なので、

 2!=2\times 1=2

cbea □ となる場合の数は、cbea 以外の文字 1 つの並び方なので、

 1!=1

cbed □ となる場合の数は、cbec 以外の文字 1 つの並び方なので、

 1!=1

よって、

24+24+6+2+2+1+1=60 (番目)

 

(2) 40 番目は何か。

a □□□□ となる場合の数は、a 以外の文字 4 つの並び方なので、

 4!=4\times 3\times 2\times 1=24

ba □□□ となる場合の数は、ba 以外の文字 3 つの並び方なので、

 3!=3\times 2\times 1=6

bc □□□ となる場合の数は、bc 以外の文字 3 つの並び方なので、

 3!=3\times 2\times 1=6

bda □□ となる場合の数は、bca 以外の文字 2 つの並び方なので、

 2!=2\times 1=2

bdcae

よって、40 番目は、bdcea

 

解説

(1) cbeda は何番目か。

\ast 同じ文字が並ばないことに注意

cbeda は、a □□□□, b □□□□ の後に並ぶので、

 a □□□□ となる場合の数は、a 以外の文字 4 つの並び方なので、

  4!=4\times 3\times 2\times 1=24

 b □□□□ となる場合の数は、b 以外の文字 4 つの並び方なので、

  4!=4\times 3\times 2\times 1=24

 

cbeda は、ca □□□ の後に並ぶので、

 ca □□□ となる場合の数は、ca 以外の文字 3 つの並び方なので、

  3!=3\times 2\times 1=6

 

cbeda は、cba □□, cbd □□ の後に並ぶので、

 cba □□ となる場合の数は、[texcba] 以外の文字 2 つの並び方なので、

  2!=2\times 1=2 

 cbd □□ となる場合の数は、cbd 以外の文字 2 つの並び方なので、

  2!=2\times 1=2

 

cbeda は、cbea □, cbed □ の後に並ぶので、

 cbea □ となる場合の数は、cbea 以外の文字 1 つの並び方なので、

  1!=1

 cbed □ となる場合の数は、cbec 以外の文字 1 つの並び方なので、

  1!=1

よって、

24+24+6+2+2+1+1=60 (番目)

 

(2) 40 番目は何か。

(1) と同様にして考える。

a □□□□ となる場合の数は、a 以外の文字 4 つの並び方なので、

 4!=4\times 3\times 2\times 1=24

ba □□□ となる場合の数は、ba 以外の文字 3 つの並び方なので、

 3!=3\times 2\times 1=6

ここまでで、30 番目

 

bc □□□ となる場合の数は、bc 以外の文字 3 つの並び方なので、

 3!=3\times 2\times 1=6

ここまでで、36 番目

 

bda □□ となる場合の数は、bca 以外の文字 2 つの並び方なので、

 2!=2\times 1=2

ここまでで、38 番目

 

bdcae

ここまでで、39 番目

よって、40 番目は、

bdcea

 

おわりに

今回は、辞書式に配列させる場合の数でした。

 

記事の問題に対して質問がある方はいつでもご連絡ください。

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詳しくは下記の問い合わせフォームからご連絡ください。

いつでもお待ちしております。

 

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排出率 1 %って何回引けば当たるか知ってる?納得できるガチャの沼化

はじめに

みなさん好きなアプリゲームはありますか?

私もアプリゲームは新しいものが出るたびにチェックしてしまいますね…笑

 

アプリをインストールした後、

アプリゲームの醍醐味といえばなんといっても、ガチャですよね!

 

私もどれだけ課金したことか…

そんな話はおいときましょう笑

 

ガチャを引く前に、ガチャの詳細を見たことはありますでしょうか?

詳細の中には、各キャラクターの排出率が書かれていますね。

 

排出率 1 %のキャラクターがいたとすると、

「大体、100回 くらい引けば当たるかな?」と見通しを立てますね。

 

それって本当でしょうか??

 

実は、100 回引いても当たる確率はかなり低いのです!

それについて解説していこうと思います!

 

↓確率の基本例題はこちらです!

確率は日本語で丁寧に分解!袋の中から赤玉と青玉を取り出す確率 - Math Kit

文字がたくさんあってややこしい!サイコロを5回投げる時の反復試行の確率問題 - Math Kit

「〜のとき」と来たら条件付き確率!赤玉と白玉が入ってる袋から玉を取り出す条件付き確率 - Math Kit

 

 

排出率20%の時、何回引けば当たる?

排出率 20 %を考える。

言い換えると、「10 回引けば大体 2 回くらいは当たる」とか言えますね。

よって、1 回引くときに当たる確率は、\dfrac{2}{10}=\dfrac{1}{5} ですね。

では、5 回引けば本当に当たるでしょうか?

 

問)排出率 20 % の時、5 回引いて当たる確率は? 

1 回引いて当たる確率:\dfrac{1}{5}

1 回引いて外れる確率:\dfrac{4}{5}

 

① 1 回目に当たる確率

\dfrac{1}{5}

② 2 回目に当たる確率

1 回目に外れて、2 回目に当たるので、

\dfrac{4}{5}\times\dfrac{1}{5}=\dfrac{4}{25}

③ 3 回目に当たる確率

1, 2 回目に外れて、3 回目に当たるので、

\dfrac{4}{5}\times\dfrac{4}{5}\times\dfrac{1}{5}=\dfrac{16}{125}

④ 4 回目に当たる確率

1, 2, 3 回目に外れて、4 回目に当たるので、

\dfrac{4}{5}\times\dfrac{4}{5}\times\dfrac{4}{5}\times\dfrac{1}{5}=\dfrac{64}{625}

⑤ 5 回目に当たる確率

1, 2, 3, 4 回目に外れて、5 回目に当たるので、

\dfrac{4}{5}\times\dfrac{4}{5}\times\dfrac{4}{5}\times\dfrac{4}{5}\times\dfrac{1}{5}=\dfrac{256}{3125}

 

①〜⑤より

\dfrac{1}{5}+\dfrac{4}{25}+\dfrac{16}{125}+\dfrac{64}{625}+\dfrac{256}{3125}

=\dfrac{625+500+400+320+256}{3125}

=\dfrac{2101}{3125}

\fallingdotseq{0.67232}

よって、約 67 %

 

これは驚きです。

排出率 20 %のキャラクターを 5 回までに当てる確率はたった 67 %でした。

5 回引いても 100 %ではないことは容易に判断できるでしょう。しかし、まさか半分ちょっとなんて驚きですね。

 

同じことが排出率 1 %でも言えます。

 

排出率1%の時、何回引けば当たる?

問)排出率 1 %の時、100 回引いて当たる確率は?

1 %の場合も、同じように計算することができます。

しかし、手計算だと大変なのでエクセルに計算させました。

以下に 115 回目に当たりを引く確率を載せています。

 

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同様に、100 回までをエクセルで計算し、

1100 回目に当たりを引く確率を全て足すと、

0.633967 \dots

となりますので、

排出率 1 %の時、100 回引いて当たる確率は、約 63 %

となります。

排出率 1 %の時、何回引けば高確率で当たるのか?

150 回引くと、78 %

200 回引くと、87 %

250 回引くと、92 %

300 回引くと、95 %

350 回引くと、97 %

 

このようになっています。

100 %になることはありませんが、300 回くらい引くと、高確率に当てることができそうですね。

 

おわりに 

今回は、排出率 1 %の時、何回引けば当たるのか?について話してきました。

 

しかし、実際の排出率は 1 %をはるかに下回ります。

当てるのは相当回数が必要なことがわかったのではないかと思います…

 

こういった確率のパラドックス問題は、他にも書いていますので、ぜひ見てみてください!

「私は嘘つきである」変なのわかる?パラドックス「モンティホール問題」 - Math Kit

 

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群数列の基本がこれに詰まってる!奇数の列を群数列で並べるときの数列の問題

はじめに

今回は、奇数の列を群数列で並べたときの数列の問題です。

 

この範囲には、特に特有の公式はありません。

今までの等差、等比、階差、シグマなどの知識を活用して解いていく、

いわばちょっとした応用問題となります。

 

しかし、応用問題というのは、大抵の場合解き方が複数通り存在しています。

多くのアプローチの方法を知っておくことは、様々な応用問題を解く際に

とても役に立ちます。

 

今回の問題でも、複数通りの解き方を紹介するので、

色々な方法を考察していきましょう。

 

理解できない解き方ももちろんあるかと思いますので、

そういった場合は、理解できるものから確実に身に着けていきましょう。

 

群数列とは?

まず、群数列とは何か、というところからスタートしましょう。

以下の数列を使って考えていきます。

 

1 ,2 ,2 ,3 ,3 ,3 ,4 ,4 ,4 ,4\cdots

 

この数列は、正の整数が並んでいるだけに見えるかもしれませんが、よく見ると、

 

11

22

33

44

 

のように並んでいるのがわかるかと思います。

そこで、次のように数列を区切って見てみます。

 

1  |  2 , 2  |  3 , 3 , 3  |  4 , 4 , 4 , 4  |  \cdots

 

このようにして見ると、規則性が分かりやすいですね。

数列を上記のように区切って考えたとき、

1 (最初のかたまり)を第 1

2 , 22 つ目のかたまり)を第 2

3 , 3 , 33 つ目のかたまり)を第 3

4 , 4 , 4 , 44 つ目のかたまり)を第 4

のように表現します。

 

このように、数列 a_n をある規則に従っていくつかの群に分けて考えるとき、

これを群数列と言います。

 

では、この群数列について、具体的な問題を見ていきましょう。

 

 

問題

奇数の列(奇数列)を

1  |  3 , 5  |  7 , 9 , 11  |  13 , 15 , 17 , 19  |  \cdots

のように、第 n 群が n 個の数を含むように分けるとき、

 

1)第 n 群の最初の奇数を求めなさい。

2)第 n 群の総和を求めなさい。

 

 

答案の例

1

各群の最初の奇数は階差数列になっている。

各群の最初の奇数を並べた数列を \bigl\{ a_n \bigr\} 、そこから得られた階差数列を \bigl\{ b_n \bigr\} とすると、

 

 b_n=2+2(n-1) 

 =2n 

 

よって、

 

a_n=1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}2n  

=n^2-n+1n=1のときも成り立つ)

 ※解説の解き方の②を使用

 

2

n 群の初項は(1)により、

 

n^2-n+1

 

n 群の末項は、第 (n+1) 群の初項から 2 を引けばいいため、

 

n^2+n-1

 

さらに項数は n であるため、

 

\displaystyle \dfrac{1}{2}n(n^2-n+1+n^2+n-1)

=n^3 

 ※解説の解き方の②を使用

 

解説

1

<解き方①:第 (n-1) 群までに奇数が何個使われているのかを考える>

まず、いきなり第 n 群について考えると混乱してしまう可能性があるので、

例えば「第 3 群の最初の奇数」から考えて、イメージを掴んでいきましょう。

 

3 群の最初の奇数は、問題で与えられている通り、 7 ですね。

これは奇数列で考えると 4 番目の奇数となります。

1,3,5,7,9  \cdots という列の 4 番目が 7 になっていますね)

 

では、この 4 番目という番号は、どのように求めているのでしょうか?

 

今回の例では見ただけですぐにわかりますが、第 n 群について今後

考えていくことを考慮し、規則性を見つけていきます。

 

3 群の最初の奇数を知りたい場合は、第 2 群までに奇数が

何個使われているかを考えます。

 

つまり、 1,3,53 個です。

 

2 群までに奇数が 3 個あるのであれば、第 3 群の最初の奇数

は、それに 1 を加えた 4 番目の奇数ということになりますね。

 

同様に、例えば第 3 群までには 6 個の奇数が使われていますので、

4 群の最初の奇数であれば、それに 1 を加えた 7 番目の奇数

を求めればいいということになります。

 

これらのことをまとめると、ある群の最初の数が何番目なのかを知りたい場合は、

 1 つ手前までの群で使われている数の合計に+1 をすればいい

ということになります。

 

さて、では今回の問題である、「第 n 群の最初の奇数」が奇数列での何番目

なのかを知りたい場合は、どう考えればよいのでしょうか?

 

n 群の 1 つ手前の群とは、第 (n-1) 群ということになります。

まずはこの群までにいくつ奇数が使われているかを考えるのです。

 

1 群には奇数は 1 個、

2 群には奇数は 2 個、

3 群には奇数は 3 個、

(n-1) 群には奇数は (n-1)

 

使われていますので、それらの合計は、

 

 1+2+3+ \cdots +(n-1)

 

となります。

 

項数が n であれば、 \dfrac{1}{2}n(n+1) でしたが、今回は項数が 

 (n-1) なので、この式の n の部分が (n-1) となり、

 

 \dfrac{1}{2}(n-1)\bigl\{(n-1)+1\bigr\}

 =\dfrac{1}{2}n(n-1)

 

となります。これが第 (n-1) 群までに使われている奇数の合計なので、

n 群の最初の奇数は、奇数列での

 

 \dfrac{1}{2}n(n-1)+1

 

番目の数ということになります。

 

また今回、奇数は 1 からスタートしていますので、

一般的な奇数の表し方は 2n-1 となります。

 

 2n+1 とすると、n=1 (初項)のときに 3 が出てきてしまいますね。

 

この 2n-1 というのは、 n 番目の奇数を表しています。

よって、\bigl\{ \dfrac{1}{2}n(n-1)+1\bigr\} 番目の奇数を知りたいのであれば、

n の部分に \dfrac{1}{2}n(n-1)+1 を代入し、

 

 2×\bigl\{\dfrac{1}{2}n(n-1)+1\bigr\}-1 

 =n(n-1)+2-1

 =n^2-n+1

 

という結果となります。これが、第 n 群の最初の奇数となります。

 

<解き方②:各群の最初の数を見て、規則性を見つける>

解き方①では、 1 つ前までの群に何個の奇数が使われているかを数えました。

 

しかし、第 n 群の最初の奇数を知りたいだけなのであれば、

各群の最初の奇数だけに焦点を絞り、それらの規則性がわかれば

n 群の最初の奇数はすぐにわかるはずです。

 

各群の最初の奇数は、以下のようになっています。

 

1 群の最初の奇数 \cdots  1 

2 群の最初の奇数 \cdots  3

3 群の最初の奇数 \cdots  7

4 群の最初の奇数 \cdots  13

 

これらの数の規則性を考えると、

 

 1 から 3 へは +2

 3 から 7 へは +4

 7 から 13 へは +6

 

となっており、同じ数だけ足されているわけではありませんが、

足されている数である 246 には、 +2

ずつされているという規則性があります。

 

このように、足されている数(もしくはかけられている数)を新たな数の列

とみなす場合、これを階差数列と呼びました。

 

今回、

 2,4,6,  \cdots

という階差数列には、初項が 2 、公差が 2 の等差数列になっている

という特徴があるので、 等差数列の公式により、

 

 2+2(n-1) 

 =2+2n-2

 =2n

 

となります。よって、この階差数列を使ったもとの数列の一般項は、

 

1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}2n  

=1+2\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}n

=1+2×\displaystyle \dfrac{1}{2}n(n-1)

 ※ \displaystyle \sum_{k=1}^{n}n の公式において、項数が (n-1) になって

  いるため、結果の\displaystyle \dfrac{1}{2}n(n+1)n の部分に

   (n-1) を代入した式となっています。

=1+n(n-1)

=n^2-n+1

 

となります。

 

これは、 n\geqq2 のときに成り立つ式なので、 n=1 のときに

成り立つかどうかを確かめなければなりません。

 

 n=1 のとき、

1^2-1+1 

=1

なので、第 1 群の最初の数である 1 と一致していますね。

これにより、 n=1 のときも成り立つことがわかります。

 

そしてこの一般項は、各群の最初の数をとって数列を作っていたので、

n 項である n^2-n+1 が、第 n 群の最初の奇数という

ことになるわけです。

 

2

<解き方①:第 n 群までの和から、第 (n-1) 群までの和を引く>

例えば、1,3,5,7,9,11,13 までで考えたとき、7 から 13 までの和を知りたい

場合、

 

1 から 13 までの和)ー(1 から 5 までの和)

 

を考えれば、答えを導くことができますよね。

これと同じことを行っていきます。

 

つまり、まずは最初の奇数である 1 から第 n 群の最後の数までの和

を計算します。

次に、1 から第 (n-1) 群の最後の数までの和を計算します。

これらを引くことで、第 n 群のかたまりのみの和を求めることができるわけです。

 

では、実際にやっていきます。

 

n 群の最後の数は、第 (n+1) 群の最初の数から 2 を引けばいい。

 ※奇数の列について考えているので、 1 つ手前の数は 2 を引く

 

(n+1) 群の最初の数は、(1)の答えの n の部分に (n+1) を代入すればいいので、

 

(n+1)^2-(n+1)+1

=n^2+2n+1-n-1+1

=n^2+n+1

 

となります。

さらに、この数から 2 を引き、

 

=n^2+n-1

 

という式が、第 n 群の最後の数となる。

 

足し合わせる数列の初項と末項が分かったので、和の公式を使うためには、

あとは項数が必要ですね。

 

項数は、第 n 群までに奇数がいくつ出てきているかを考えればいい。

各群にはそれぞれ、 1 個、 2 個、 3 個、 \cdotsn

だけ奇数が含まれていますので、それらの合計は、

 

 1+2+3+ \cdots +n

=\displaystyle \dfrac{1}{2}n(n+1)

 

ということになる。よって、これらの情報を和の公式に当てはめ、

 

\displaystyle \dfrac{1}{2}× 項数 ×( 初項 + 末項  ) 

=\displaystyle \dfrac{1}{2}×\Bigl\{ \displaystyle \dfrac{1}{2}n(n+1) \Bigr\}× (1+n^2+n-1)

=\displaystyle \dfrac{1}{4}n(n+1)(n^2+n)  \cdots

 ※あとで整理するため、計算をここで止めておきます。

 

次に、第 (n-1) 群までの合計を計算します。

 

(n-1) 群の最後の数は、第 n 群の最初の数から 2 を引けばいい。

 

n 群の最初の数は(1)で求めたため、その答えから 2 引き、

 

n^2-n-1

 

となります。

 

項数については、(n-1) 個までの合計なので、

 

 1+2+3+ \cdots +(n-1)

=\displaystyle \dfrac{1}{2}n(n-1)

 

ということになる。つまり、第 (n-1) 群までの和は、

 

\displaystyle \dfrac{1}{2}× 項数 ×( 初項 + 末項  ) 

=\displaystyle \dfrac{1}{2}×\Bigl\{ \displaystyle \dfrac{1}{2}n(n-1) \Bigr\}× (1+n^2-n-1)

=\displaystyle \dfrac{1}{4}n(n-1)(n^2-n)  \cdots

 

最後に、①から②の式を引き、

 

\displaystyle \dfrac{1}{4}n(n+1)(n^2+n)-\displaystyle \dfrac{1}{4}n(n-1)(n^2-n) 

=\displaystyle \dfrac{1}{4}n \Bigl\{ (n+1)(n^2+n)-(n-1)(n^2-n) \Bigr\} 

 ※\displaystyle \dfrac{1}{4}n でくくった

=\displaystyle \dfrac{1}{4}n \Bigl\{ (n^3+2n^2+n)-(n-1)(n^2-n) \Bigr\} 

 ※ (n+1)(n^2+n) を展開した

=\displaystyle \dfrac{1}{4}n \Bigl\{ (n^3+2n^2+n)-(n^3-2n^2+n) \Bigr\} 

 ※ (n-1)(n^2-n) を展開した

=\displaystyle \dfrac{1}{4}n(4n^2) 

 ※中かっこの中を整理した

=n^3 

 

<解き方②:第 n 群の中だけで初項と末項を考えて和を計算する>

n 群の総和を聞かれているので、純粋にn 群の中の数を

すべて足し合わせるだけでもいいはずですね。

 

n 群の初項は(1)により、n^2-n+1

n 群の末項は<解き方①>により、n^2+n-1

項数は、第 n 群の中の数だけを数えるため、 n 個となります。

 

これにより、

 

\displaystyle \dfrac{1}{2}n(n^2-n+1+n^2+n-1)

=\displaystyle \dfrac{1}{2}n(2n^2)

 ※かっこの中を整理した

=n^3 

 

おわりに

今回は、奇数の列を群数列で並べたときの数列の問題でした。

 

記事の問題に対して質問がある方はいつでもご連絡ください。

また、オンラインで家庭教師も可能です。

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いつでもお待ちしております。

 

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紙を42回折れば厚さで月に到達?!わかりやすく解説

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はじめに

1枚の紙を折ることのできる最大の回数はご存知ですか?

 

今回は、

何回折れば紙の厚さで月まで到達するのか?

紙は最大で何回折れるのか?

 

といった内容を書いていこうと思います!

数学的な解説もあるので難しい部分もあるかもしれませんが、感覚的に理解できる解説もしているので、ぜひ読んでみて下さい!

 

 

紙の厚さで月に到達?

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もともと薄っぺらい紙でも、折れば折るだけ厚みが増すのは容易に理解できますね。

 

厚さが 0.1mm の紙を 42 回折れば紙の厚さで月に到達できるという信じがたいお話をしていこうと思います。

 

一見、月に到達するためには、1000 回とか 10000 回とか必要になる気がしますよね…

 

早速ですが、本当にたった 42 回で月に到達するのかを数学的に解説していきます。

 

数学的に解説

紙の厚さを 0.1 mmだとする。

紙を半分に折っていくと、厚さは 2 倍になっていくので、

 0.1, 0.2, 0.4, \cdots

と厚さが増えていきます。

よって、n 回折った時の厚さは、

 (0.1)\cdot 2^{n-1}

と表すことが出来ます。この式を数列の一般項という。

 

ここまでの内容を詳しく知りたいという方は、以下の記事を見てみて下さい。

数列を勉強している高校生向け

数列の基礎基本を復習したい方はこちら

www.smohisano.com

等比数列について復習したい方はこちら

www.smohisano.com

 

この n をいくつにすれば月に到達するのかを知りたいわけですね。

月までの距離は約 38 万キロメートルなので、

 

(0.1)\cdot 2^{n-1}=380000000000\ast ミリメートル表示)

この方程式を満たす n を求めればいいわけです。

 

ここからは手計算では難しいので電卓を使用しましょう。

そうするとなんと不思議、n=42 で月の距離を越えることがわかります。

 

なんで月を越えられるの?

なんでたった 42 回で月に到達できたのか。

それは、紙の厚さが指数関数的に増加していたからだと言えます。

 

指数関数とは?

y=2^x のように、指数の部分が変数(文字)になっている関数のことを言います。

y=2^x ですと、

x=0 のとき y=1

x=1 のとき y=2

x=2 のときy=4

と増えていきますね。

 

グラフで言うとこのように増えていきます。

 

x=2 までですと、大して大きく増えているように思えませんが、

x=11 を代入してみると、y=1024 となりますし、x=12 を代入すると、y=2024 とどんどん増加していきます。

グラフを見てもわかるように、最初の方はゆっくりとした増加でも途中から爆発的に増えているのがわかると思います。

 

紙を折れる限界値

「紙を折る」というのは数学の解析学の中で結構研究されていました。研究の中で、紙を折る限界値は、7 から 8 回とされていました。

 

しかし、2002 年にアメリカの女子高生ブルトニー・ガリヴァンが、ある学習課題に取り組んだ結果、これが間違っていることを証明した。彼女はまず薄い金箔を 12 回折りたたんでみせたが、「それは紙ではない」と反論されたので、次にトイレットペーパーでも同じ回数折りたたんで見せた。さらに、ブルトニーはある回数紙を折りたたむのに必要な紙の長さを計算する方程式を組み立てた。

 L=\dfrac{\pi t}{6}(2^n+4)(2^n-1)

\ast t は紙の厚さ、n は折りたたむ回数、L は紙の長さである。)

 

これにより、紙は最大でも 12 回までしか折れないことが証明されました。

 

おわりに

紙は、42 回折ると、厚さで月まで到達できます。

しかし、アメリカの女子高生により、紙は 12 回までしか折ることはできないことがわかりました。

 

つまり、42 回折って月まで到達させるというのは、机上の空論で実際は 12 回しか折れないというの結論です。

 

この問題には、たった 42 回で月に到達できるという驚きだけでなく、指数関数的に増える恐ろしさも表されていますね。

そう考えると、SNSの拡散力だったり、コロナの感染力も納得がいきます…

 

数学を知ると、世界を知ることに繋がります。

次の記事もお楽しみに!

等差でも等比でもない?!階差数列の一般項を求める問題を解説!

はじめに

今回は、階差数列の一般項を求める問題です。

 

階差数列の問題は、

数列の規則性が簡単に見つけられないものが多いです。この時点で数学が苦手な人にとっては、解く意欲をそがれますよね…

 

しかし、どんな時であれ

数列の分野で大切なことは、規則性をどのようにして見つけるかです。

 

逆に言えば、規則性の見つけ方を知っておけば、

ある方法でつまずいても、別の方法でその数列の正体を見破ることができるわけです。

 

具体的に問題を解説する中で、ポイントをおさえていきましょう。

 

階差数列を利用した一般項の公式

 a_n の階差数列を b_n とすると、 b_k=a_{k+1}-a_k であり、

 n\geqq2 のとき、

 a_n=a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}b_n 

 

\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1} の部分の解説はこちら

www.smohisano.com

 

階差数列は、もとの数列の各項の差を調べて、

それらを並べた数列(b_nのことを言います。

 

上記の a_{k+1}-a_k の部分で k という文字が使われているのは、

n という文字が一般項を求めるときにすでに使われているためです。

表す意味は n と同じく、ランダムに項を選ぶということです。

 

公式は最もスマートな形で書かれているので、これだけを見て理解しようとするのはかなり大変です。

問題を解説する中で具体的に使って慣れていきましょう。

 

また、上記の公式を使う場合は、注意しなければいけないことが 1 つあります。

 

n\geqq2 のとき、」

という条件が付いているということです。

 

つまり、一般項は 1 番目にも当てはまるように求めることが基本なので、n=1 の場合を個別にチェックする必要があります

 

この点も含めて、実際に問題の解説をみていきましょう!

 

 

問題

次の数列の一般項 a_n を求めなさい。

 2, 7, 18, 35, 58, \cdots 

 

 

解説

基本的に数列の問題を解く場合、次のことを意識するところから回答がスタートします。

 

「与えられている数の列は、

   何が足されているのか(引かれているのか)

            or

   何が掛けられているのか(割られているのか)」

 

足されていた(引かれていた)場合は等差数列、

掛けられていた(割られていた)場合は等比数列となりますね。

 

そして、もとの数列に関してこのどちらにもあてはまらない場合、別の方法を考える必要性が生じるわけです。

 

そこで考える新しい方法として今回紹介するものが、足されている数を横並びにして新しい数列を作り、その列に関してもう一度同じことをチェックしてみるという方法です。

 

今回与えられている数列は、わかっている項だけ並べると、

2, 7, 18, 35, 58

のようになりますね。

 

そしてこの列の特徴を調べると、

2 から 7 へは +5 

7 から 18 へは +11 

18 から 35 へは +17 

35 から 58 へは +23 

だけ足されています。足されている数が一定ではないので、今度はこれらを列にした

 

5, 11, 17, 23,  \cdots 

(「\cdots」は、今後も同じようにして差を求めて項を作っていくという意味です)

 

という数列を考え、再び差を見てみるわけです。このような差を並べた数列のことを階差数列と言い、これからこの階差数列の規則性を探っていきます。

 

そうすると、次の項へ移るにつれて、 +6 されているという規則性を持っていることがわかりますね。

 

よって、この階差数列には、

「初項 5 、公差 6 の等差数列になる」

という特徴があることがわかると思います。

 

つまり、今回の階差数列を仮に b_n とすると、等差数列の公式により、

 

b_n=5+6(n-1)

   =6n-1

 

のように b_n を求めることができます。これにより、もとの数列 a_n は、

 

a_n=2+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}(6k-1) 

   =2+6\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}k-\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}1 

   =2+6\cdot\dfrac{1}{2}n(n-1)-\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}1

  ※項数が n-1 なので、シグマの公式の n の部分が n-1 に変わっているため、このようになっています

   =2+6\cdot\dfrac{1}{2}n(n-1)-(n-1)

  ※ 1n-1 回足し合わせるという意味なので、このようになっています

   =3n^2-4n+3

 

となります。

 

そして、上記で説明している通り、この a_n は n\geqq2 のときに成り立っているので、 n=1 の場合を個別に確かめなければならないのです。

 

n=1 の場合、a_1=3\cdot 1^2-4\cdot 1+3=2

 

となるので、もとの数列の初項と一致することがわかりますね。

これにより、さっき求めた a_n=3n^2-4n+3 は、n=1 の場合にも当てはまるという結果を得ました。

 

ここまで行って、この問題の回答は終了となるので、最後の詰めを忘れないようにしましょう。

 

実際の答案

a_2-a_1=5

a_3-a_2=11

a_4-a_3=17

と続き、5, 11, 17, \cdotsb_n とおくと、

b_n=5+(n-1)\cdot 6

 =5+6n-6

 =6n-1

よって、

a_n=a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}b_n より

 =2+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} (6n-1)

 =2+6\cdot\dfrac{1}{2}\cdot(n-1)\cdot n-(n-1)

 =2+3n^2-3n-n+1

 =3n^2-4n+3

n=1 のとき a_1=2 となる。

したががって、

a_n=3n^2-4n+3

 

おわりに

今回は、階差数列の一般項を求める問題でした。

 

記事の問題に対して質問がある方はいつでもご連絡ください。

また、オンラインで家庭教師も可能です。

詳しくは下記の問い合わせフォームからご連絡ください。

いつでもお待ちしております。

 

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