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紙を42回折れば厚さで月に到達?!わかりやすく解説

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はじめに

1枚の紙を折ることのできる最大の回数はご存知ですか?

 

今回は、

何回折れば紙の厚さで月まで到達するのか?

紙は最大で何回折れるのか?

 

といった内容を書いていこうと思います!

数学的な解説もあるので難しい部分もあるかもしれませんが、感覚的に理解できる解説もしているので、ぜひ読んでみて下さい!

 

 

紙の厚さで月に到達?

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もともと薄っぺらい紙でも、折れば折るだけ厚みが増すのは容易に理解できますね。

 

厚さが 0.1mm の紙を 42 回折れば紙の厚さで月に到達できるという信じがたいお話をしていこうと思います。

 

一見、月に到達するためには、1000 回とか 10000 回とか必要になる気がしますよね…

 

早速ですが、本当にたった 42 回で月に到達するのかを数学的に解説していきます。

 

数学的に解説

紙の厚さを 0.1 mmだとする。

紙を半分に折っていくと、厚さは 2 倍になっていくので、

 0.1, 0.2, 0.4, \cdots

と厚さが増えていきます。

よって、n 回折った時の厚さは、

 (0.1)\cdot 2^{n-1}

と表すことが出来ます。この式を数列の一般項という。

 

ここまでの内容を詳しく知りたいという方は、以下の記事を見てみて下さい。

数列を勉強している高校生向け

数列の基礎基本を復習したい方はこちら

www.smohisano.com

等比数列について復習したい方はこちら

www.smohisano.com

 

この n をいくつにすれば月に到達するのかを知りたいわけですね。

月までの距離は約 38 万キロメートルなので、

 

(0.1)\cdot 2^{n-1}=380000000000\ast ミリメートル表示)

この方程式を満たす n を求めればいいわけです。

 

ここからは手計算では難しいので電卓を使用しましょう。

そうするとなんと不思議、n=42 で月の距離を越えることがわかります。

 

なんで月を越えられるの?

なんでたった 42 回で月に到達できたのか。

それは、紙の厚さが指数関数的に増加していたからだと言えます。

 

指数関数とは?

y=2^x のように、指数の部分が変数(文字)になっている関数のことを言います。

y=2^x ですと、

x=0 のとき y=1

x=1 のとき y=2

x=2 のときy=4

と増えていきますね。

 

グラフで言うとこのように増えていきます。

 

x=2 までですと、大して大きく増えているように思えませんが、

x=11 を代入してみると、y=1024 となりますし、x=12 を代入すると、y=2024 とどんどん増加していきます。

グラフを見てもわかるように、最初の方はゆっくりとした増加でも途中から爆発的に増えているのがわかると思います。

 

紙を折れる限界値

「紙を折る」というのは数学の解析学の中で結構研究されていました。研究の中で、紙を折る限界値は、7 から 8 回とされていました。

 

しかし、2002 年にアメリカの女子高生ブルトニー・ガリヴァンが、ある学習課題に取り組んだ結果、これが間違っていることを証明した。彼女はまず薄い金箔を 12 回折りたたんでみせたが、「それは紙ではない」と反論されたので、次にトイレットペーパーでも同じ回数折りたたんで見せた。さらに、ブルトニーはある回数紙を折りたたむのに必要な紙の長さを計算する方程式を組み立てた。

 L=\dfrac{\pi t}{6}(2^n+4)(2^n-1)

\ast t は紙の厚さ、n は折りたたむ回数、L は紙の長さである。)

 

これにより、紙は最大でも 12 回までしか折れないことが証明されました。

 

おわりに

紙は、42 回折ると、厚さで月まで到達できます。

しかし、アメリカの女子高生により、紙は 12 回までしか折ることはできないことがわかりました。

 

つまり、42 回折って月まで到達させるというのは、机上の空論で実際は 12 回しか折れないというの結論です。

 

この問題には、たった 42 回で月に到達できるという驚きだけでなく、指数関数的に増える恐ろしさも表されていますね。

そう考えると、SNSの拡散力だったり、コロナの感染力も納得がいきます…

 

数学を知ると、世界を知ることに繋がります。

次の記事もお楽しみに!