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「私は嘘つきである」変なのわかる?パラドックス「モンティホール問題」

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はじめに

みなさんこんにちは!

パラドックス問題って聞いたことがありますか?

 

今回は、ある有名なパラドックス問題と一人の天才のお話になっています。

 

パラドックスとは

パラドックスとは、正しく見える前提や論理から、納得しがたい結論が導かれてしまう問題のことを言います。

 

一つ例を紹介しましょう。

「私は嘘つきである。」という言葉を考えていきましょう。

なんの変哲もない言葉に思えますし、何気ない友達との会話の中にも出てきそうな言葉ですね。

しかし、よくよく見てみるとおかしな言葉です。

 

①「私」が本当に嘘つきだとする

この言葉も嘘になるので、「私」は正直者である。

②「私」が本当は正直者だとする。

この言葉は本当になるので、「私」は嘘つきである。

 

それぞれの仮定と結論が矛盾します。

仮定:「私」が嘘つきだとする。

結論:「私」は正直者である。

仮定:「私」が正直者だとする。

結論:「私」は嘘つきである。

 

このように、ぱっと見は簡単そうなものも論理的に展開してみるとそうではないものをパラドックスと言われ、興味深い問題が多数存在します。

 

今回はこの中でもかなり有名な

『モンティ・ホール問題』について紹介しようと思います。

 

モンティ・ホール問題とは?

アメリカで放送されていた『Let's make a deal』というゲームショー番組で、

あるゲームが行われました。

 

このゲームは、

挑戦者が3つのドアから1つのドアを選ばさせ、そのドアの向こう側に当たりの商品もしくはハズレの商品どちらかがあるというシンプルな問題でした。

 

どんなゲームだったのか?

実際にどんなゲームだったのかを紹介するので、みなさんなら直感的にどれを選ぶか考えてみてください!

 

STEP1 

みなさんの目の前に3つのドアが現れます。

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このドアの向こうには、当たりの場合は「車」があり、ハズレの場合は「ヤギ」がいます。「車」を引き当てた時にのみ手に入れることができます。

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STEP2

この3つのドアから1つのドアを選択します。

(このとき、ドアの奥からエンジン音とかヤギの鳴き声は聞こえませんw)

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STEP3

次に、このゲームの司会者であるホール氏が図のようにハズレのドアを一つ教えてくれます。

(ちなみに、『モンティ・ホール問題』は司会者の名前から付けられたみたいですね。)

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STEP4

ここで司会者は、あなたにこう問います。

「最初に選んだ赤い矢印のドアのままにしますか?」

それとも「もう一つの緑の矢印のドアに変えますか?」

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STEP5

ここで、あなたに質問です。

A:「最初に選んだドアから変えません!」

B:「もう一つの空いてるドアにしようかな…」

C:「どっちにしても一緒だからどっちでもいいって!」

あなたならどれを選びますか?

 

天才現れる

この問題に対して、

IQ230のマリリン・ボス・サヴァントは自身が掲載するコラムにてこう言った。

「正解は、B『ドアを変える』よ。ドアを変えると変えないときにあたりを引く確率の2倍になるもの。」

 

んんん??

変えた方が良い?しかも、確率が2倍になるだと???!!!!

 

この発言に対して、世界中から批判の手紙が届きました。

中には、大学の数学者からも批判が届いたらしいです。

「君は明らかなヘマをした世界最高の知能指数保有者である貴女が自ら数学的無知をこれ以上世間に広める愚行を直ちに止め、恥を知るように!」

「プロの数学者として、一般大衆の数学的知識の低さを憂慮する。自らの間違いを認める事で現状が改善されます」

散々な言われようですね…

 

しかし、これがきっかけで本当のところどうなのか?ということが調べられました。

 

解説

確率の基礎・基本を確認したい方はこちらをチェック

www.smohisano.com

 

では、本当に変えた方が変えなかった場合の2倍の確率になるかを確認してみましょう。

 

解説① 理論的に理解する

(i) 最初に選んだドアから変えなかった場合に当たる確率

(ii) もう一つのドアに変更する場合に当たる確率

この2つに場合分けして比べてみます。

 

ドアの配置は左からヤギ、車、ヤギだとします。

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(i) 最初に選んだドアから変えなかった場合に当たる確率

①のドアを選ぶ時

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司会者は③をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えないのでハズレのままです。

 

②のドアを選ぶ時

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司会者は①もしくは③をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えないので当たりのままです。

 

③のドアを選ぶ時

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司会者は①をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えないのでハズレのままです。

 

よって、変えなかった場合のあたる確率は、\dfrac{1}{3} となります。

 

>(ii) もう一つのドアに変更する場合に当たる確率</span

①のドアを選ぶ時

f:id:smohisano:20210901202245p:plain

司会者は③をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えるので、当たりになります。

 

②のドアを選ぶ時

f:id:smohisano:20210901202815p:plain

司会者は①もしくは③をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えるので、ハズレになります。

 

③のドアを選ぶ時

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司会者は①をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えるので、当たりになります。

 

よって、もう一つのドアに変える場合の確率は、\dfrac{2}{3} となります。

 

(i) 最初に選んだドアから変えない:\dfrac{1}{3}

(ii) もう一つのドアに変える:\dfrac{2}{3}

このように、確かにもう一つのドアに変えた場合の方が当たる確率が2倍になるみたいですね!

 

解説②  ドアを100個に増やして感覚的に理解する

ここまでの内容でピンと来ない人は、ドアの数を増やしてみると良いかもしれません。

 

ドアが100個の場合、

最初に選んだドアから変えない方が良いのか?もう一つのドアに変えた方が良いのか?考えてみましょう。

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当たりのドアを①とします。

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最初に②のドアを選んだとします。

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このとき、当たりのドアと選んだドア以外のドアをハズレと教えてくれますので、

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このように、③から100までのドアがハズレだとわかります。

この時に、「あなたは変えますか?変えませんか?」これなら変えた方が良いというのがわかる方もいるのではないでしょうか?

 

以上が理論的に考えて理解する方法とドアを増やして感覚的に理解する方法でした。

 

おわりに

今回は、パラドックス問題の一つである「モンティホール問題」を解説してみました。

 

数学を勉強していくとこういった面白い問題にたくさん出会うことができて、ワクワクを得られます!

 

いろんな確率の問題を解説してますので、こちらも合わせてチェックしてみてください!

 

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