Math Kit

途中式を飛ばさない数学ブログ

ベクトルとは?ベクトルの基礎・基本

にほんブログ村 受験ブログ 受験勉強法へ ←こちらもチェック!

はじめに

今回は、ベクトルの基礎・基本について話していきます。

 

高校数学におけるベクトルは、

平面ベクトルと空間ベクトルに分けられます。

 

空間ベクトルは少し難しい印象を持つ方が多いかと思いますが、

必要な箇所で切り取ってその断面図を見て問題を解く場合がほとんどです。

断面図は、平面図形なので、結局は平面図形を解くことと同じです。

 

つまり、平面ベクトルをある程度理解できれば、

同時に空間ベクトルも理解できるということです。

 

平面図形におけるベクトルの基本用語等を確認していきましょう。

 

 

ベクトルの基本事項

基本用語

有向線分 AB

 始点 A から終点 B に向かう向きを指定した線分

ベクトル 

 向きと大きさだけで定まる量

ベクトルの表し方 \overrightarrow{a}=\overrightarrow{AB}  

 \overrightarrow{a} を表す有向線分 AB の表すベクトル 

ベクトルの大きさ |\overrightarrow{a}|

 \overrightarrow{a} を表す有向線分の長さ

単位ベクトル

 大きさが 1 であるベクトル

ベクトルの相等

 \overrightarrow{a}=\overrightarrow{b} は、\overrightarrow{a}\overrightarrow{b} の向きが同じで、大きさが等しい。

逆ベクトル -\overrightarrow{a}

 \overrightarrow{a} と大きさが等しく、向きが反対のベクトル -\overrightarrow{AB}=\overrightarrow{BA}

零ベクトル \overrightarrow{0}

 有効線分の始点と終点が一致 \overrightarrow{AA}=\overrightarrow{0}, |\overrightarrow{0}|=0, 向きが考えない。

 

ベクトルの相等について

ベクトルとは、向きと大きさを表したものです。

 

次の図を見ていきましょう。

f:id:smohisano:20210816222122p:plain

長さが同じでも向きが違う場合は、同じベクトルになりません。

 

f:id:smohisano:20210816222208p:plain

向きが同じでも長さが違う場合は、同じベクトルになりません。

f:id:smohisano:20210816222620p:plain

長さと向きが一致した時に、同じベクトルと言えます。

 

このように、2 つのベクトルの相等を考える時、

どの位置にいるのか?は関係ありません。

あくまでも向きと長さが一致した 2 つのベクトルが等しいと言えます。

 

ベクトルの加法・減法・実数倍

ベクトルは、上述した通り、向きと大きさを表したものです。

 

\overrightarrow{a}=3 

\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b}=5 

つまり、上述のように表されることはありません。 

 

ベクトル用の足し算や引き算の方法があることを頭に入れておきましょう。

 

① 和 \overrightarrow{a}+\overrightarrow{b}

f:id:smohisano:20210816204002p:plain

 

② 差 \overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}=\overrightarrow{a}+(-\overrightarrow{b})

f:id:smohisano:20210816204028p:plain
 

③ 実数倍 k\overrightarrow{a}

f:id:smohisano:20210816204056p:plain
  

ベクトルの演算法則

実数の場合、2+3=3+2(2+3)+4=2+(3+4) 等が成り立ちます。

ベクトルであっても同じような法則が成り立ちます。

 

演算法則

交換法則 \overrightarrow{a}+\overrightarrow{b}=\overrightarrow{b}+\overrightarrow{a}

結合法則 (\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b})+\overrightarrow{c}=\overrightarrow{a}+(\overrightarrow{b}+\overrightarrow{c}) 

逆ベクトル \overrightarrow{a}+(-\overrightarrow{a})=\overrightarrow{0}

\overrightarrow{0} の性質 \overrightarrow{a}+\overrightarrow{0}=\overrightarrow{0}+\overrightarrow{a}=\overrightarrow{a}

 

その他の演算法則

その他 

k(l \overrightarrow{a})=(kl)\overrightarrow{a}

(k+l)\overrightarrow{a}=k\overrightarrow{a}+l\overrightarrow{a}

k(\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b})=k\overrightarrow{a}+k\overrightarrow{a}b

 

なぜこのような法則を確認する必要があるのか?

それは、実数とベクトルの定義が違うからです。

 

実数は、みなさんがよく知ってるただの数字ですし、

ベクトルは、大きさと向きを含んだものです。

 

定義が違うため、演算の法則も新たに確認する必要があるわけです。

 

ベクトルの平行

\overrightarrow{a} \neq\overrightarrow{0}, \overrightarrow{b} \neq\overrightarrow{0} のとき、

\overrightarrow{a}\overrightarrow{b}が平行 \leftrightarrow \overrightarrow{a}=k\overrightarrow{b}

 

\overrightarrow{a}=k\overrightarrow{b} は、

ベクトルの長さは違うけど、向きは同じであることを表している。

  

ベクトルの分割

ベクトルの始点を変えたい時に、ベクトルの分割を使う。

ベクトルの分割

\overrightarrow{AB}=\overrightarrow{OB}-\overrightarrow{OA}

 この公式を解説していきます。

 

まず、下図のような図を描く。

 

f:id:smohisano:20210816204236p:plain

\overrightarrow{AB} は始点が A で終点が B です。

A と 点 B を終点として、始点にしたい点 O を始点としてベクトルを引く。 

 

図より

\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{AB} = \overrightarrow{OB}

   \overrightarrow{AB} = \overrightarrow{OB} - \overrightarrow{OA}

 

おわりに

ベクトルの基礎・基本について説明してきました。

 

もっと詳しく教えてほしいという方は、

下記の問い合わせフォームからご連絡ください。

いつでもお待ちしております。

 

お問い合わせフォーム

https://forms.gle/2RVgwcMPcL5YxWbV7

 

Math Kit 

sites.google.com

数学を学ぶためのキットが揃っています。

「途中式を飛ばさない」数学学習サイトとなっています。

ぜひ、学習に役立たせてください。