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途中式を飛ばさない数学ブログ

和を求める!シグマの公式を使った問題

はじめに

今回は、シグマの公式を使った問題です。

 

 シグマという言葉が難しく感じさせますが、行っている計算は単純で、

和を求めるというだけです。

 

シグマとは?

例えば、

2+4+6+8

という偶数のたし算の計算をする場合、おそらく純粋に足し合わせて、20 という結果をすぐに導くことができるかと思います。

 

この計算を、試しにシグマの考えを使って書いてみます。

 

偶数は、「 2×(整数) 」と表すことができるので、仮に整数の部分を

k とすると、偶数は 2k と表されますね。

 

仮に k1 を入れてみる(代入してみる)と、

2×1=2

となり、「2+4+6+8 」の初項の値が出てきます。

 

同じように、 k2 を代入すると、

2×2=4 

となり、「2+4+6+8 」の第 2 項の値が出てきます。

 

さらに、 k3 を代入すると 6k4 を代入すると 8 

となり、第 3 項と末項の値がそれぞれ得られると思います。

そして、それらの和を考えると、20 という答えになるわけです。

 

ここまでのことをまとめると、つまり今回の計算は、

2k という式の k という文字に、 1 から 4 までの値を入れて

 和を計算する」

ということになります。

 

これを数学では、

\displaystyle \sum_{k=1}^{4}2k 

のように表記します。

 

もう 1 つ例を考えてみましょう。

 

この要領で考えると、

5k という式の k という文字に、 1 から 9 までの値を入れて

 和を計算する」

という文章を、シグマを使って表すとどのようになるでしょうか?

 

答えは、

\displaystyle \sum_{k=1}^{9}5k 

となります。

 

これがシグマを使った和の表し方です。

シグマの計算では、注意すべき点があまりありません。

なぜなら、先程の例で言えば「2k 」や「5k 」などの一般式を作る

ところが最も皆さんが苦戦しやすいところだからです。

 

式さえわかってしまえば、あとはシグマの公式を純粋に当てはめるだけとなります。

 

そんな公式をミスなく使うだけのシグマですが、つまずきそうなポイントを

強いて挙げるなら、複数の文字が登場するということです。

 

上記の例でみてみると、

\displaystyle \sum_{k=1}^{4}2k 

を計算すると、20 という答えになるわけですが、

お分かりの通り、シグマの計算で k という文字は使っていますが、

最終的な20 という結果に k という文字は含まれていませんね。

 

このように、シグマの公式を使うためだけに用いられ、最終的になくなる

文字のことをダミー(dummy)と言いますが、このダミーのほかに、

数列の一般項を求める式には、大抵 n という文字が使われます。

等差数列や等比数列の問題でもそうだったように、

この n に関しては、最後の結果まで残り続ける文字となります。

 

つまり、シグマを扱う問題を解く場合、一般項の中で使われる n と、

ダミーとして使われる k という 2 種類の文字が最低でも

入ってくることになるわけです。

 

文字が複数含まれる場合、ほかのどの分野にも当てはまる対処法ですが、

その文字が何の役目を担っているかを把握して問題を解いていくことが

大切になってきます。

 

では、実際の問題を見ていきながら、シグマの性質やその使い方を

学んでいきましょう。

 

シグマの公式

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k=\dfrac{1}{2}n(n+1) \cdots ①

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^2=\dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1) \cdots ②

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^3=\Bigl\{ \dfrac{1}{2}n(n+1) \Bigr\}^2  \cdots ③

 

後で紹介する問題と解説にこれらの公式を使うので、わかりやすいように番号をつけておきます。

この次に紹介するシグマの性質についても、番号をつけておきますね。

 

また、上記の公式には含まれていませんが、初めて見たときに少し戸惑うであろう形を 1 つ示しておきます。

 

大抵シグマの計算には、上記の公式のように k というダミーの文字が含まれていますが、この部分が定数になることがあるのです。

 

例えば、

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}2

のような形です。

 

この場合、 k という文字がないため、 k に値を代入することができません。

よって、 2 という数は変化しないため、2n 回足し合わせるだけの作業となり、

\displaystyle \sum_{k=1}^{n}2=2×n

となります。

 

シグマの性質

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(a_k \pm b_k)=\displaystyle \sum_{k=1}^{n}a_k \pm \displaystyle \sum_{k=1}^{n}b_k  \cdots ④

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}c a_k=c \displaystyle \sum_{k=1}^{n}a_k \cdots ⑤

 

最初に説明した通り、ダミーの文字は最終結果には残らないので、どの文字を使っても意味は同じです。

 

例えば、

 \displaystyle \sum_{i=1}^{n}b_i 

であれば、 i という文字に 1 から n までの数を代入

して和を考えるという意味であり、

 \displaystyle \sum_{m=1}^{n}b_m 

であれば、 m という文字に 1 から n までの数を代入

して和を考えるという意味となるわけです。

 

では、実際に問題を通して、使い方を見ていきましょう。

 

 

問題

次の和を \sum を用いて表し、その和を求めよ。

1) 2+6+10+ \cdots +(4n-2)

21^2+3^2+5^2+ \cdots +(第n項)

 

解説

1

今回は、第 n 項がすでに与えられているため、純粋にシグマの公式を当てはめるだけとなります。

 

シグマの計算をするときは、まず第 n 項に含まれている n という文字を、ダミーの文字に置き換えるところから始まります。

 

 

今回、ダミーの文字を k とすると、第 n 項が 4n-2 なので、

4k-2 について考えていくことになります。

 

こうすることで、「2+6+10+ \cdots +(4n-2)」という式は、

4k-2 という式の k という文字に、 1 から n までの値を入れて和を計算する

というように読み替えることができるわけです。

 

実際、 k に 1 を代入すると、

4×1-2=2

であり、

 

 k に 2 を代入すると、

4×2-2=6

であり、

 

 k に n を代入すると、

4×n-2=4n-2

となりますね。

 

そしてそれらの和を考えることで、

「 2+6+10+ \cdots +(4n-2)

となるため、問題文を上記のように書き換えたことになるわけです。

 

よって、書き換えた問題文をシグマを使って表し、

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(4k-2)

となります。

 

あとはシグマの公式や性質を使いながら式を変形していくだけの作業となります。

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(4k-2)

=\displaystyle \sum_{k=1}^{n}4k- \displaystyle \sum_{k=1}^{n}2

 ※④を適用

=4 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k- \displaystyle \sum_{k=1}^{n}2

 ※前半に、⑤を適用

=4× \dfrac{1}{2}n(n+1)- \displaystyle \sum_{k=1}^{n}2

 ※前半に、①を適用

=4× \dfrac{1}{2}n(n+1)- 2×n

 ※後半に、k が含まれない場合のシグマの考えを適用

=2n(n+1)- 2n

=2n^2

 

 

2

まず今回の問題では、第 n 項がまだ与えられていないため、それを求めるところから始まります。

 

 2 乗になっている数を見ると、奇数であることが容易にわかるかと思いますので、

n 項は奇数の n 番目の数、つまり 2n-1 を使って表されることになります。

2n+1 も奇数の表し方の 1 つですが、こうしてしまうと、初項( n=1 を代入した場合の項)が 3 になってしまい、今回の問題の初項の奇数とズレてしまうのです。

 

さらに、すべての項が 2 乗されていることを考慮し、第 n 項は

 

 (2n-1)^2 

 

になります。

 

ここからは、(1)のときと同様、 n という文字を、ダミーの文字 k に置き換えて、

 

 (2k-1)^2 

 

という式について考え、シグマの公式を使っていきます。

つまり、

 

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(2k-1)^2

 

を計算すれば、答えとなるわけです。

 

  \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(2k-1)^2

 =\displaystyle \sum_{k=1}^{n}(4k^2-4k+1)

 ※(2k-1)^2を展開

 =\displaystyle \sum_{k=1}^{n}4k^2-\displaystyle \sum_{k=1}^{n}4k+\displaystyle \sum_{k=1}^{n}1

 ※④を適用

 =4 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^2-4 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k+\displaystyle \sum_{k=1}^{n}1

 ※最初の項と2 つ目の項に⑤を適用

 =4×\dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1) -4×\dfrac{1}{2}n(n+1)+1×n

 ※最初の項に②、2 つ目の項に①、最後の項に k が含まれない場合の

  シグマの考えを適用

 =\dfrac{2}{3}n(n+1)(2n+1) -2n(n+1)+n

 =n\Bigl\{ \dfrac{2}{3}(n+1)(2n+1) -2(n+1)+1 \Bigr\}

 =n\Bigl\{ \dfrac{2}{3}(2n^2+3n+1) -2n-2+1 \Bigr\}

 =n\Bigl(\dfrac{4}{3}n^2+2n+ \dfrac{2}{3} -2n-2+1\Bigr)

 =n\Bigl(\dfrac{4}{3}n^2- \dfrac{1}{3}\Bigr)

 =\dfrac{1}{3}n(4n^2-1)

 =\dfrac{1}{3}n(2n-1)(2n+1)

 

最後の計算が少しややこしいですが、

 ・同類項をまとめる

 ・すべての項に共通している文字や数(共通因数)を前にくくり出す

 ・かっこの中の同類項をまとめる

 ・かっこの中の共通因数を前にくくり出す  \cdots

 

のように作業を繰り返せば、大抵の計算はきれいに整理できます。

あとはそれらをミスなくできるかです。

 

丁寧に自分の計算を見直しながら、解き進めていきましょう。

 

 

実際の答案

1

2+6+10+ \cdots +(4n-2)=\displaystyle \sum_{k=1}^{n}(4k-2)

よって、

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(4k-2)

=4 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k- \displaystyle \sum_{k=1}^{n}2

=4×\dfrac{1}{2}n(n+1)-2n

=2n^2

 

 

2

1^2+3^2+5^2+ \cdots +(第n項)= \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(2k-1)^2

よって、

 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(2k-1)^2

=4 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^2-4 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}k+\displaystyle \sum_{k=1}^{n}1

=4×\dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1) -4×\dfrac{1}{2}n(n+1)+n

=n\Bigl\{ \dfrac{2}{3}(n+1)(2n+1) -2(n+1)+1 \Bigr\}

=n\Bigl(\dfrac{4}{3}n^2- \dfrac{1}{3} \Bigr)

=\dfrac{1}{3}n(4n^2-1)

=\dfrac{1}{3}n(2n-1)(2n+1)

 

おわりに

今回は、シグマの公式を使った問題でした。

 

記事の問題に対して質問がある方はいつでもご連絡ください。

また、オンラインで家庭教師も可能です。

詳しくは下記の問い合わせフォームからご連絡ください。

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「私は嘘つきである」変なのわかる?パラドックス「モンティホール問題」

 

はじめに

みなさんこんにちは!

パラドックス問題って聞いたことがありますか?

 

今回は、ある有名なパラドックス問題と一人の天才のお話になっています。

 

パラドックスとは

パラドックスとは、正しく見える前提や論理から、納得しがたい結論が導かれてしまう問題のことを言います。

 

一つ例を紹介しましょう。

「私は嘘つきである。」という言葉を考えていきましょう。

なんの変哲もない言葉に思えますし、何気ない友達との会話の中にも出てきそうな言葉ですね。

しかし、よくよく見てみるとおかしな言葉です。

 

①「私」が本当に嘘つきだとする

この言葉も嘘になるので、「私」は正直者である。

②「私」が本当は正直者だとする。

この言葉は本当になるので、「私」は嘘つきである。

 

それぞれの仮定と結論が矛盾します。

仮定:「私」が嘘つきだとする。

結論:「私」は正直者である。

仮定:「私」が正直者だとする。

結論:「私」は嘘つきである。

 

このように、ぱっと見は簡単そうなものも論理的に展開してみるとそうではないものをパラドックスと言われ、興味深い問題が多数存在します。

 

今回はこの中でもかなり有名な

『モンティ・ホール問題』について紹介しようと思います。

 

モンティ・ホール問題とは?

アメリカで放送されていた『Let's make a deal』というゲームショー番組で、

あるゲームが行われました。

 

このゲームは、

挑戦者が3つのドアから1つのドアを選ばさせ、そのドアの向こう側に当たりの商品もしくはハズレの商品どちらかがあるというシンプルな問題でした。

 

どんなゲームだったのか?

実際にどんなゲームだったのかを紹介するので、みなさんなら直感的にどれを選ぶか考えてみてください!

 

STEP1 

みなさんの目の前に3つのドアが現れます。

f:id:smohisano:20210830152110p:plain

このドアの向こうには、当たりの場合は「車」があり、ハズレの場合は「ヤギ」がいます。「車」を引き当てた時にのみ手に入れることができます。

f:id:smohisano:20210830152349p:plain

STEP2

この3つのドアから1つのドアを選択します。

(このとき、ドアの奥からエンジン音とかヤギの鳴き声は聞こえませんw)

f:id:smohisano:20210830152550p:plain

STEP3

次に、このゲームの司会者であるホール氏が図のようにハズレのドアを一つ教えてくれます。

(ちなみに、『モンティ・ホール問題』は司会者の名前から付けられたみたいですね。)

f:id:smohisano:20210830152852p:plain

STEP4

ここで司会者は、あなたにこう問います。

「最初に選んだ赤い矢印のドアのままにしますか?」

それとも「もう一つの緑の矢印のドアに変えますか?」

f:id:smohisano:20210830153158p:plain

STEP5

ここで、あなたに質問です。

A:「最初に選んだドアから変えません!」

B:「もう一つの空いてるドアにしようかな…」

C:「どっちにしても一緒だからどっちでもいいって!」

あなたならどれを選びますか?

 

天才現れる

この問題に対して、

IQ230のマリリン・ボス・サヴァントは自身が掲載するコラムにてこう言った。

「正解は、B『ドアを変える』よ。ドアを変えると変えないときにあたりを引く確率の2倍になるもの。」

 

んんん??

変えた方が良い?しかも、確率が2倍になるだと???!!!!

 

この発言に対して、世界中から批判の手紙が届きました。

中には、大学の数学者からも批判が届いたらしいです。

「君は明らかなヘマをした世界最高の知能指数保有者である貴女が自ら数学的無知をこれ以上世間に広める愚行を直ちに止め、恥を知るように!」

「プロの数学者として、一般大衆の数学的知識の低さを憂慮する。自らの間違いを認める事で現状が改善されます」

散々な言われようですね…

 

しかし、これがきっかけで本当のところどうなのか?ということが調べられました。

 

解説

確率の基礎・基本を確認したい方はこちらをチェック

www.smohisano.com

 

では、本当に変えた方が変えなかった場合の2倍の確率になるかを確認してみましょう。

 

解説① 理論的に理解する

(i) 最初に選んだドアから変えなかった場合に当たる確率

(ii) もう一つのドアに変更する場合に当たる確率

この2つに場合分けして比べてみます。

 

ドアの配置は左からヤギ、車、ヤギだとします。

f:id:smohisano:20210901202052p:plain

(i) 最初に選んだドアから変えなかった場合に当たる確率

①のドアを選ぶ時

f:id:smohisano:20210901202245p:plain

司会者は③をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えないのでハズレのままです。

 

②のドアを選ぶ時

f:id:smohisano:20210901202815p:plain

司会者は①もしくは③をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えないので当たりのままです。

 

③のドアを選ぶ時

f:id:smohisano:20210901202955p:plain

司会者は①をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えないのでハズレのままです。

 

よって、変えなかった場合のあたる確率は、\dfrac{1}{3} となります。

 

>(ii) もう一つのドアに変更する場合に当たる確率</span

①のドアを選ぶ時

f:id:smohisano:20210901202245p:plain

司会者は③をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えるので、当たりになります。

 

②のドアを選ぶ時

f:id:smohisano:20210901202815p:plain

司会者は①もしくは③をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えるので、ハズレになります。

 

③のドアを選ぶ時

f:id:smohisano:20210901202955p:plain

司会者は①をハズレと教えてくれます。

その後、挑戦者は最初に選んだドアから変えるので、当たりになります。

 

よって、もう一つのドアに変える場合の確率は、\dfrac{2}{3} となります。

 

(i) 最初に選んだドアから変えない:\dfrac{1}{3}

(ii) もう一つのドアに変える:\dfrac{2}{3}

このように、確かにもう一つのドアに変えた場合の方が当たる確率が2倍になるみたいですね!

 

解説②  ドアを100個に増やして感覚的に理解する

ここまでの内容でピンと来ない人は、ドアの数を増やしてみると良いかもしれません。

 

ドアが100個の場合、

最初に選んだドアから変えない方が良いのか?もう一つのドアに変えた方が良いのか?考えてみましょう。

f:id:smohisano:20210901204711p:plain

当たりのドアを①とします。

f:id:smohisano:20210901204742p:plain

最初に②のドアを選んだとします。

f:id:smohisano:20210901204808p:plain

このとき、当たりのドアと選んだドア以外のドアをハズレと教えてくれますので、

f:id:smohisano:20210901204846p:plain

このように、③から100までのドアがハズレだとわかります。

この時に、「あなたは変えますか?変えませんか?」これなら変えた方が良いというのがわかる方もいるのではないでしょうか?

 

以上が理論的に考えて理解する方法とドアを増やして感覚的に理解する方法でした。

 

おわりに

今回は、パラドックス問題の一つである「モンティホール問題」を解説してみました。

 

数学を勉強していくとこういった面白い問題にたくさん出会うことができて、ワクワクを得られます!

 

いろんな確率の問題を解説してますので、こちらも合わせてチェックしてみてください!

 

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ベクトルが含まれた方程式がベクトル方程式ただそれだけ

はじめに

今回は、ベクトルが含まれた方程式についての問題です。

 

ベクトル方程式は、ベクトルの中でも特に難しい単元ですね。

 

しかし、ベクトルは大きさと向きを表すものという定義をしっかりと押さえておけば決して理解できない単元ではないです!

 

ベクトルの定義などの基本を復習したい方はこちらをチェック

www.smohisano.com

 

ベクトル方程式とは?

ベクトル方程式とはなにか?

難しく考えるとなんなのかがわからなくなってきます。

シンプルに考えましょう!

 

ベクトル方程式とは、ベクトルを含んだ方程式です。

 

つまり、

ベクトルでも直線の方程式とか円の方程式とかを表すことができるんだよ!ってだけの話です。

 

直線の方程式を求める問題は、中学生の時や数学 Ⅱ でも扱いましたね。

直線と方程式についてはこちらをチェック

www.smohisano.com

 

直線のベクトル方程式

直線上の任意の点 P の位置ベクトルを \overrightarrow{p} とし、st を実数の変数とする。

定点 A(\overrightarrow{a}) を通り、\overrightarrow{0} でないベクトル \overrightarrow{d} に平行な直線

 \overrightarrow{p}=\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{d} \overrightarrow{d} は直線の方向ベクトル

 

異なる 2A(\overrightarrow{a}), B(\overrightarrow{b}) を通る直線

 \overrightarrow{p}=(1-t)\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{a} または \overrightarrow{p}=s\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{a} s+t=1

 

定点 A(\overrightarrow{a}) を通り、\overrightarrow{0} でないベクトル \overrightarrow{n} に垂直な直線

 \overrightarrow{n}(\overrightarrow{p}-\overrightarrow{a})=0 \overrightarrow{n} は直線の法線ベクトル

 

公式の説明

今回使用する公式を解説する。

定点 A(\overrightarrow{a}) を通り、\overrightarrow{0} でないベクトル \overrightarrow{d} に平行な直線

 \overrightarrow{p}=\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{d} \overrightarrow{d} は直線の方向ベクトル

 

f:id:smohisano:20210827144627p:plain

求めたい直線は点 P の集まりです。赤線(\overrightarrow{p}で表しています。

P の位置ベクトルを \overrightarrow{p} と表す。そして、\overrightarrow{p} は求めたい直線上を移動します。

 【目標】

\overrightarrow{p} が直線上のどこを指していても、成り立つようなベクトルを含んだ方程式を立てる。」

 

f:id:smohisano:20210827144709p:plain

直線上の任意のA の位置ベクトルを \overrightarrow{a} とおくと上図のようになる。

 

f:id:smohisano:20210827144737p:plain

また、求めたい直線に平行なベクトル \overrightarrow{d} を適当に書いておく。

すると、線分 APt\overrightarrow{d} と表すことができる。

 

f:id:smohisano:20210827144803p:plain

したがって、無駄な部分を排除して見てみると、

\overrightarrow{a} + t\overrightarrow{d} = \overrightarrow{p}

   \overrightarrow{p} = \overrightarrow{a} + t\overrightarrow{d}

となる。

問題

A(-4, 2) を通り、ベクトル \overrightarrow{d}=(3, -1) に平行な直線の方程式を求めよ。

  

解説

図にすると、

f:id:smohisano:20210827151114p:plain

よって、

\overrightarrow{p}=(x, y) とすると、

(x, y)=(-4, 2)+t(3, -1)

x 座標と y 座標それぞれを式にすると、

媒介変数を t とすると、\ast 媒介変数とは、一つの式を二つに分けるための変数)

\begin{cases}x=-4+3t\\y=2-t\end{cases}

t を消去すると、直線の方程式が求められる

 

上記の解説を踏まえた上で、実際の答案を見てみましょう!

 

実際の答案

\overrightarrow{p}=(x, y) とすると、

(x, y)=(-4, 2)+t(3, -1)

媒介変数を t とすると、

\begin{cases}x=-4+3t\cdots①\\y=2-t\cdots②\end{cases}

②より

3y=6-3t

3t=6-3y

①に代入すると、

x=-4+6-3y

x+3y-2=0

 

おわりに

今回は、ベクトルが含まれた方程式についての問題でした。

 

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式を図に落とし込む!位置ベクトルについての問題

はじめに

今回は、位置ベクトルについての問題です。

 

早速ですが、ポイントは2点あります。

① 位置ベクトルがなにかを理解する

② 式を図に落とし込む

 

図に落とし込むことができれば、問題を解くために必要な情報が見えてきます。

 

式を図に落とし込むポイント

式を図に落とし込むために、始点を変更しなければいけない場合があります。

始点の変更についてはこちらをチェック

www.smohisano.com

 

位置ベクトルとは?

位置ベクトルとは、

\overrightarrow{p} に対して、任意の点を始点(ここでは、点 P とする。)にして、\overrightarrow{p}=\overrightarrow{OP} と表すことです。

 

よく使用する形

\triangle{ABC} において、線分 BCm : n に内分する点を P とするとき、

\overrightarrow{AP}=\dfrac{n}{m+n} \overrightarrow{AB} + \dfrac{m}{m+n} \overrightarrow{AC}

f:id:smohisano:20210824195058p:plain

 

 

 

問題

\triangle{ABC} の内部に点 P があり、6\overrightarrow{PA}+3\overrightarrow{PB}+2\overrightarrow{PC}=\overrightarrow{0} を満たすとき、

P はどのような位置にあるか。

 

解説

今回の場合は、

式:6\overrightarrow{PA}+3\overrightarrow{PB}+2\overrightarrow{PC}=\overrightarrow{0} 

図:\triangle{ABC}

 

上記の式を図に落とし込む必要があります。

そのためにまずは始点を変更してみましょう。

 

今回の問題の式を見てみると、始点が P になっていますね。

このままだと点 P の位置がよくわかりません。

 

P の位置をわかりやすくするためには、

三角形の頂点を始点にしましょう。 

 

6\overrightarrow{PA}+3\overrightarrow{PB}+2\overrightarrow{PC}=\overrightarrow{0} 

6(-\overrightarrow{AP})+3(\overrightarrow{AB}-\overrightarrow{AP})+2(\overrightarrow{AC}-\overrightarrow{AP})=\overrightarrow{0}

 -6\overrightarrow{AP}+3\overrightarrow{AB}-3\overrightarrow{AP}+2\overrightarrow{AC}-2\overrightarrow{AP}=\overrightarrow{0}

       11\overrightarrow{AP}=3\overrightarrow{AB}+2\overrightarrow{AC}

       \overrightarrow{AP}=\dfrac{3}{11}\overrightarrow{AB}+\dfrac{2}{11}\overrightarrow{AC}

       \overrightarrow{AP}=\dfrac{5}{11} \left(\dfrac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\dfrac{2}{5}\overrightarrow{AC}\right)

 

ここまで整理できたら、図に落とし込みましょう。

\overrightarrow{AD}=\dfrac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\dfrac{2}{5}\overrightarrow{AC} とおくと、

D は、\triangle{ABC} において線分 BC2 : 3 に内分する点とわかる。\cdots

① より

f:id:smohisano:20210822162028p:plain

また、

\overrightarrow{AP}=\dfrac{5}{11} \overrightarrow{AD}

と表されるので、

 

P は、\triangle{ABC} において線分 AD5 : 6 に内分する点とわかる。 \cdots

② より

 

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P は、\triangle{ABC} において線分 AD5 : 6 に内分する点とわかる。 \cdots

 

ここまでの内容を踏まえた上で実際の答案を見ていきましょう。

 

実際の答案

6\overrightarrow{PA}+3\overrightarrow{PB}+2\overrightarrow{PC}=\overrightarrow{0} 

6(-\overrightarrow{AP})+3(\overrightarrow{AB}-\overrightarrow{AP})+2(\overrightarrow{AC}-\overrightarrow{AP})=\overrightarrow{0}

 -6\overrightarrow{AP}+3\overrightarrow{AB}-3\overrightarrow{AP}+2\overrightarrow{AC}-2\overrightarrow{AP}=\overrightarrow{0}

       11\overrightarrow{AP}=3\overrightarrow{AB}+2\overrightarrow{AC}

       \overrightarrow{AP}=\dfrac{3}{11}\overrightarrow{AB}+\dfrac{2}{11}\overrightarrow{AC}

       \overrightarrow{AP}=\dfrac{5}{11} \left(\dfrac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\dfrac{2}{5}\overrightarrow{AC}\right) 

\overrightarrow{AD}=\dfrac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\dfrac{2}{5}\overrightarrow{AC} とおくと、

\overrightarrow{AP}=\dfrac{5}{11} \overrightarrow{AD}

と表される。よって、

\triangle{ABC} において線分 BC2 : 3 に内分する点を 点 D とすると、

P は、線分 AD5 : 6 に内分する点である。

 

おわりに

 今回は、位置ベクトルについての問題でした。

 

記事の問題に対して質問がある方はいつでもご連絡ください。

また、オンラインで家庭教師も可能です。

詳しくは下記の問い合わせフォームからご連絡ください。

いつでもお待ちしております。

 

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絶対値がついたら2乗!ベクトルの大きさの最小値問題

問題

ベクトル \overrightarrow{a}, \overrightarrow{b} について |\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}, |\overrightarrow{b}|=\sqrt{2}, |\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|=\sqrt{5} であるとき

(1) 内積 \overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b} の値を求めよ。

(2) ベクトル |2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}| の大きさを求めよ。 

(3) ベクトル |\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b}| の大きさが最小となるように実数 t の値を定め、そのときの最小値を求めよ。 

 

つまずきポイント

今回は、ベクトルの大きさの最小値問題です。

 

ベクトルの大きさが与えられているときの解法を覚えていないと、

手も足も出ない問題かもしれません。

 

今回の問題のポイント

ベクトルの大きさが与えられていたら2乗しましょう。

 

問いの中にあるこちらの式は、このままだとなにも計算ができません。

|\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|=\sqrt{5}

 

両辺を2乗することによって、

\overrightarrow{a} \cdot\overrightarrow{b} の値を求めることができ、(2) にも繋がります。

 

二次関数の最小値問題

(3)では、(2)と同様に計算をし、

式を整理することができたら二次関数の最小値を求めなければいけません。

 

二次関数の最小値問題が不安な方はこちらをチェックしてみてください。

 

www.smohisano.com

 

解説

(1)

|\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|^2=(\sqrt{5})^2

|\overrightarrow{a}|^2-2\overrightarrow{a} \cdot\overrightarrow{b}+|\overrightarrow{b}|^2=5

|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}, |\overrightarrow{b}|=\sqrt{2} より

(\sqrt{3})^2-2\overrightarrow{a} \cdot\overrightarrow{b}+(\sqrt{2})^2=5

3-2\overrightarrow{a} \cdot\overrightarrow{b}+2=5

  -2\overrightarrow{a} \cdot\overrightarrow{b}=0

   \overrightarrow{a} \cdot\overrightarrow{b}=0 \cdots \ast

 

(2)

 |2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|^2

=2^2|\overrightarrow{a}|^2-12\overrightarrow{a} \cdot \overrightarrow{b}+3^2|\overrightarrow{b}|^2 

 |\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}, |\overrightarrow{b}|=\sqrt{2} と (1) の \ast より

=4 (\sqrt{3})^2-12 \cdot 0+9(\sqrt{2})^2 

=4\cdot 3+9\cdot 2 

=30

よって、

|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|=\sqrt{30}

(最初に 2 乗していることを忘れずに) 

 

 (3)

 |\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b}|^2

=|\overrightarrow{a}|^2+2t\overrightarrow{a} \cdot\overrightarrow{b} +t^2 |\overrightarrow{b}|^2

|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}, |\overrightarrow{b}|=\sqrt{2} と (1) の \ast より

=3+2t^2

=2t^2+3

頂点 (0, 3)

よって、

t=0 のとき最小値 \sqrt{3}

 

おわりに

今回は、ベクトルの大きさの最小値問題でした。

ベクトルの基本知識はもちろんのこと、二次関数の最小値問題の解法も覚えている必要があります。

 

もっと詳しく教えてほしいという方は、

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